みどころ

展覧会概要

第1回印象派展から150周年を迎える2024年、印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした衝撃と影響をたどる展覧会を開催します。 19世紀後半、大都市パリには国外からも多くの画家が集いました。パリで印象派に触れ、学んだ画家たちは、新しい絵画の表現手法を自国へ持ち帰ります。 本展は、西洋美術の伝統を覆した印象派の革新性とその広がり、とりわけアメリカ各地で展開した印象派の諸相に注目します。

 アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館は、1898年の開館当初から印象派の作品を積極的に収集してきました。このたび、ほとんどが初来日となる同館の印象派コレクションを中心に、日本でもよく知られるモネ、ルノワールなどフランスの印象派にくわえ、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの作品が一堂に会します。これまで日本で紹介される機会の少なかった、知られざるアメリカ印象派の魅力に触れていただく貴重な機会となります。

みどころ

① モネ、ルノワール、カサット
名だたる画家たちの作品が集結

ウスター美術館のコレクションを中心に、モネやルノワールなどのフランス印象派やアメリカ印象派を代表するハッサムなどの油彩画約70点を展示します。そのほかクールベ、コロー、シスレー、ピサロ、カサット、サージェント、ホーマー、セザンヌ、シニャックら40人以上の画家の作品が集結します。

  • ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《ヴィル=ダヴレーの牧歌的な場所――池畔の釣り人》 1865-70年 油彩、カンヴァス
    Bequest of Mrs. Charlotte E.W. Buffington, 1935.45
  • カミーユ・ピサロ《ルーアンのラクロワ島》 1883年 油彩、カンヴァス
    Gift from the Estate of Robert W. Stoddard, 1998.213

② 海を越えて花開いた “アメリカ印象派”

フランスで生まれた印象派は、海を越えて広がり、アメリカ各地で独自に展開していきました。その技法はニューイングランドの田園風景や西部の自然の驚異など、アメリカらしい主題にも応用されていきます。本展では、これまで日本で紹介される機会の少なかった、“アメリカ印象派”の知られざる魅力を堪能いただく貴重な機会となります。

  • チャイルド・ハッサム《花摘み、フランス式庭園にて》 1888年 油彩、カンヴァス
    Theodore T. and Mary G. Ellis Collection, 1940.87
  • メアリー・カサット《裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル(母と子)》 1902-03年 油彩、カンヴァス
    Museum Purchase, 1909.15

③ 日本初公開!ウスター美術館コレクション

ウスター美術館は、開館当初から同時代美術として印象派の作品を収集し、1910年にはモネの《睡蓮》を美術館として世界で初めて購入しました。本展は、ウスター美術館の珠玉の印象派コレクションを紹介する日本で初めての機会となります。

  • クロード・モネ《睡蓮》 1908年 油彩、カンヴァス
    Museum Purchase, 1910.26
  • デウィット・パーシャル《ハーミット・クリーク・キャニオン》 1910-16年 油彩、カンヴァス
    Museum Purchase, 1916.57

ウスター美術館について

アメリカ・マサチューセッツ州第2の都市ウスターにある美術館。1896年に設立され、1898年に開館した。古代エジプト、古代ギリシャ・ローマの美術から、ヨーロッパやアメリカの絵画・彫刻、世界各地の現代美術まで、およそ40,000点のコレクションを誇る。2013年には約2,000点の武具武器から成るジョン・ウッドマン・ヒギンズ・コレクションが加わった。幅広いコレクションを活かした展覧会やさまざまな教育プログラムを実施し、多様な来館者にアートに触れる機会を提供しつづけている。

  • ウスター美術館外観
    Photo courtesy of the Worcester Art Museum
  • ウスター美術館内観